金土とノンビリと過ごして、日曜日早朝、名古屋へと帰還、予てから約束していた通り、Mr.MCSCと共に例のご友人宅を訪ねた。 11:00にMr.MCSCと合流したが、ご友人よりTEL、実に魅力的な予定変更が提案された。 ご友人が所有し、一昨年、Mr.MCSCとミレ・ミリアに出場したMaserati A6 1500 Pininfarina、現在、アウト・ガレリア・ルーチェにて他OSCA共に展示中、また、この日はMaserati Clubのミーティングがルーチェで開催、ご友人も招かれているので、ご一緒に如何とあった。 ここは呉越同舟、ランチも兼ねて、ルーチェで合流する事になった。 この日、Mr.MCSCが乗って来たのは、ワタクシと同じ2.5Lの156、但しQ-systemではなく前期型の6MT、これがよく走り、名古屋市街をスイスイと行く。 ほどなく、名古屋IC近くのルーチェに到着、少し遅れてご友人も、奥様がドライブする真っ赤なEクラスで到着、早速、ご挨拶をさせていただき、魅惑のMaseratiを拝見させていただく事になった。 ご友人ことYセンセイは、ワタクシより少し年嵩、大学時代にAlfa Romeo 1750GTVにて通学していたほどのマニアである。 MaseratiやOSCAについて、断片的にお話を伺ったが、奥が深いので、ワタクシの浅学は割愛、詳しくは、以下のルーチェのHPをご覧いただきたい。
宝石のようなクラシックスを一通り見終えた後は、ルーチェに併設されるイタリアンレストラン・エストにてランチとなった。 パスタランチの締めのデザートは、ご覧の通り、エストの心憎い気配り、もちろん、Maserati Clubのメンバーためのスペシャル、隣席させていただいた誼で、ワタクシもいただくにいたった(嬉)
美味しいランチの後、奥様はお帰りになったが、おふたりのご友人を、もうお一人を覚王山にてピックアップ、その方は日本のみならず世界のクラシックカー界に精通したミスター・コッパ、車中における語りが実に軽妙、思わず話に引き込まれたほど、そして4人が揃ったところで、コーンズ名古屋へと向かった。 聞けば、Yセンセイ、予てよりコーンズに依頼しているモノがあり、それを引取りに行くとの事、コーンズと聞くと、いささか敷居が高く感じるが、Yセンセイにミスター・コッパのおかげで、コーンズでは正にVIP待遇、ショールームの端にある大きな真っ赤なレザーソファに通されて、アイスコーヒーまでいただいてしまった(汗) これまでも、コーンズには訪れた事はあるが、こんな歓待を受けたのは初めて、おふたりとも多くは語らないが、一体何者なんだろう?(大汗) Yセンセイの依頼の品、これも凄過ぎて記載は控えさせていただく(驚) ここでミスター・コッパは、ご所用のために下車、そして当初の予定通り、Yセンセイのご自宅へと向かった。
小一時間ほど走って、潮の香りがするほど海に近いご自宅へ到着、別棟のガレージにお邪魔すると・・・先ずはドーンとF40! 他にも珠玉の名車が収まっていたが、掲載はご勘弁いただきたい。
F40の実車を見たのは何年ぶりだろう、20年近く前はよくミーティングで拝見したが、ここ最近は見た事が無かった。 F40は、そのまま、レースに出られる市販車という、エンツォ・フェラーリの理念を具現化したスポーツカー。 エクステリアのデザインは、当時、ピニンファリーナのチーフデザイナーを務めた、あのフェオラアヴァンディによるもの。 シャーシは、308と同様の楕円鋼管の チューブラーフレームであるが、複合素材等の最新のマテリアルを組合せた半モノコック構造となっている。 インテリアは、素っ気なく、ドアノブの代わりにワイヤーが設置されているだけ、サイドウィンドウも手動、ガラス製もしくはアクリル製のスライド小窓を備えるタイプの2種が選べた。 シートもバケット、シートベルトも4点式がオプションで用意される、正にレーシングカー。 もちろん、ステアリングやブレーキにはパワーアシストなど無く、クラッチの重さも半端じゃない男子のスポーツカー。 燃料やオイル漏れには注意が必要で、実際、これらが原因と思われる車両火災も発生している。 しかし、一応はストラダーレ、ACも標準装備となっている(笑) エンツォ・フェラーリ生前の最後のスペチアーレとして人気は高く、生産台数はドンドンと追加、当初の400台の予定が、最終的には1,311台となった。 生産台数の増加によって、生産が進むに連れて、各部の改良がなされ、大きくは、前期型・後期型と区別される、相違点は、吸排気系が異なる他、後期型には、乗り入れ時、低いフロントの接触を防止するため、車高調整が備わる。 エンジンは、当時、グループBで争われていたWRCやレース参戦を目的に開発された288GTO、その改良版である288GTO Evoluzioneから引継ぎ、更に改良を加えたツインターボV8のF120Aを搭載している。 実は、このエンジン、先のBlogに書いたマルティー二・レーシングがサポートした、グループCカーであるランチアLC2のデチューン版であり、ターボチャージャーはメイドインジャパンのIHI製が採用されている。 当時のターボ係数である1.7を掛けると5.0L以下のクラスに収まるように、2,936ccにしたと言われるが、ターゲットとしたレースやカテゴリーは不明である。 タイヤは、ピレリーがF40専用に開発したP Zeroがスタンダード、BSのPOTENZA RE71も装着された。 ボディカラーはレッドのみ、イエローやブラック等はリペイント。 公称最高速度は320km/h、当時の世界最速である。 F40は典型的なターボカー、所謂、ドッカン・ターボのため、パワーバンドに入るとハイパワーに豹変、F40の開発に携わった、当時のFerrari F-1パイロットだったゲルハルト・ベルガーをもってしても、「雨の日には、絶対に乗りたくない」、「雨の日には、ガレージから出すな」と言わせたという逸話が残っているほど、過激と言われている。
このF40は1990年のディラー車、日本の正規輸入車は59台、内ストラダーレモデルが58台、その一台である。 Yセンセイによると、F40以降のFにはまったく興味が無いそうで、FはF40で止まってしまったと述べていた。 ついこの間までMondial-tも所有されており、シャーシ構造はMondial-tに酷似していると述べられた。 確かに308のチューブラーフレームを手直し、縦にV8搭載しているから当然か、但し、ホイールベースは2,450㎜とMondial-tより200㎜短い。 更にお話を伺うと、大好きだけど、やはり乗るには相応の気合が必要なんだよと、いろんな意味でタイヘンなスペチアーレである。
Yセンセイのガレージは2F建て、半分が吹き抜け、もう半分の2FにはBar&Loungeが併設されている。 コレクションを拝見させていただいた後は、このBar&Loungeのカウンターにて、ミレ・ミリアへ出場した時のムービーを鑑賞、映像には素晴らしいクラシックが登場、また舞台裏も彼是と撮影されており、おふたりにお話を伺っている内に、イタリアまで観に行きたくなってしまった(汗) また、Mr.MCSCが2000年に開催されたヒストリックアルペンのムービーを持参、こちらも拝見させていただくと、ナント!13年前のワタクシと308の走行シーンが映っていた(大汗)
これが何かお分かりだろうか?実はTestarossaのサイドを利用したオブジェ兼ライトである。 Yセンセイは348チャレンジに2年半の長きに渡って出場、ハスミ・コーポレーション・キャバリーノの蓮見氏と共に、本国イタリアはムジェロ・サーキットまで行かれて走ったそうである。 348チャレンジに同じく出場されていた、あのMatsuda Collectionの松田芳穂氏ともご懇意、そんな縁から、このTestarossaのオブジェを松田氏から譲っていただいたとの事だった(驚)
この後、夕食を挟んで、22:00過ぎまで長居をしてしまった(汗) 夜の帳が降り、美しい夜空となった中、Mr.MCSCと共にお暇、帰りはワタクシのマンション経由なので、ワタクシが156をドライブする事になった。 我が家の156とは、前述の通り、前期・後期、6MT・Q-systemの相違だけ、ドライブフィールも大して変わらないだろうと、タカを括っていたが、それが大間違い(汗) シュンシュンと軽やかに回るV6、パワーバンドにスコスコ決まるシフト、あゝやっぱりAlfa RomeoはMTだ!と痛感、我が家の156が同じ6MTだったら、現役続行は間違いなし、と断言できるほどドライブフィールは良かった。
最後にYセンセイのコレクションを一台だけ、ご紹介させていただく。 997GT3 RS3.8であるが、ただのRS3.8ではない、実はRUFの手が入っている逸品、FSWのストレート最終で優に290㎞/hは出るそうである(汗)
最後になりましたが、Mr.MCSC、Yセンセイ、奥様、ミスター・コッパ、いろいろとありがとう御座いました。 7日のミーティング、夕方からの佐久島は元より、27日のラシック麻布ダノイの平松様出版記念パーティにおいても、宜しくお願い申し上げます。